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会員の活動紹介

漆芸-重なりゆく世界

 2013年10月3日~10月27日の期間、諏訪市美術館にて収蔵作品展の一環として開催中の「竹森公男の漆芸―重なりゆく世界」を10月8日に取材いたしました。

1)始めたきっかけ
 1973年に諏訪精工舎で成人学校が計画され、「鎌倉彫」講習会で小口正二先生に出会いました。この講座には先に取材した山田さんも参加されていました。そこで漆を使った漆芸の世界に触れ、小口先生から「何か一つくらいは生涯現役でできるものに取り組んだらどうか」とアドバイスを受け取り組み始めたそうです。

2)漆芸とは
 漆を使った芸術のことであり、長い歴史の中で多くの技法を持っています。竹森さんは、合成漆を用いた蒔絵技法を主体に取り組んでいます。漆絵(顔料を混合した色漆を使って、文様を描く技法)蒔絵(様々な粗さの金粉・銀粉を漆に蒔いて文様を見せたル技法。蒔いた金・銀粉の上から漆を塗り重ねてから、炭で研ぎだして文様を表す研ぎ出し蒔絵もある)など奥が深いと伺いました。

3)活動内容
 制作時間は、仕事の終わった後の時間、休日を利用しながら40年ほど続けているとのこと。そして2004年第36回日展「特選」、2011年第50回日本現代工芸美術展「金沢市長賞」などを受賞。今回の展示は80号の大型サイズが多く16点の力作が展示されています。また諏訪市美術館に4点を寄贈していると聞きました。

4)苦心・やりがい
 竹森さんは本漆にはかぶれる体質で、小口先生のお宅に訪問するだけでかぶれてしまった。そのようなこともあり、かぶれない合成漆を使っているとのことでした。基本のキャンパスを作るだけでも、合板の両面に漆を何回も塗りと乾燥を繰り返し、反らない工夫をしなければならない苦心があると伺いました。
 漆はなかなか思うように行かないので、徐々に進化していく所がいいとのこと。また、制作の途中からもこの次はこうしよう、と構想が浮かび次のテーマ浮かんでくるそうです。

5)今後の目標
 黒のグラデーションの工夫。特に黒い紋付の着物に織り込まれたような模様を表現してみたいと今後の抱負をお聞きしました。

6)会場を訪れる時の注意
・諏訪市美術館開館時間 午前9時~午後5時まで 月曜日は休館日
・入館料 大人300円 諏訪地方の小中学生は無料。
(取材HP委員 掛川寛)

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