我が人生はゴルフと歩む修行道

<たかがゴルフされどゴルフ>
社友会でゴルフをされる方は多いと思いますが、そこで語られるゴルフに関して、おそらくそのお名前が登場する回数の最も多い人ではないでしょうか。今回のインタビューは、社友会でゴルフをされる方は誰もがご存知の「吉江利夫」さんです。
インタビューアーの私もゴルフは大好きで、吉江さんと同じホームグラウンドの塩嶺カントリーには良く行きます。先日もそのゴルフ場で聞かれたのは「吉江さんがまたエージシュートをやったよー、何回目なの?、あの人は一体何歳?」
そこで今回は、ゴルフをやっている人も、やってない人にもきっと参考になるであろう、未だ衰えぬ吉江パワーの秘密に迫ってみたいと、吉江さんの自宅にお伺いしました。
※エージシュート=1ラウンド(18ホール)を回って、自分の年齢以下のスコアでホールアウトすること。ゴルフの実力と心身の健康を保たなければ達成できない偉業です。
<プロフィール>
吉江さんは1961年24才で塩尻工業に入社され、そこから24年間ウォッチ事業に従事した後、電子体温計などを生産する特品事業部の管理部門を担当されました。広丘に移ってからは電子機器事業部でコンピュータ事業の管理部門に席を置き、その後調達機能強化の為の本社プロジェクトに参加されます。1996年からは新設されたエプソンサービス(株)の代表取締役に就任され、2001年に退職されました。
<ゴルフとの出会い>
ゴルフとの出会いは37才の時、今はありませんがツルヤ広丘店の前あたりにあったゴルフ練習場に(役員の)土橋さんと打ちっぱなしに行ったのが最初だそうです。初めての打ちっぱなしで全く当たらない自分の横で、調子良くナイスショットを続ける土橋さんに驚くところから吉江さんのゴルフ人生がスタートします。
<誰もが知りたい、ゴルフが旨くなるには-①>
昔から、目標達成に向けては何かを変えないといけない。何かを変えるには、変えるための行動を直ぐしないといけない。その行動の為には何が駄目なのか十分分析しないといけない、と考える“癖“のある吉江さんは、打ちのめされたゴルフの後で、早速行動を開始します。自宅にバンカー付きの練習場を作り、本当に365日、毎日練習したそうです。その独自の練習の成果は、わずか4年でシングルプレーヤーとなり現れます。その後、数々の競技ゴルフに参加され、全国レベルでも全国120チームの参加した全日本実業団選手権ではセイコーエプソンの中心選手として団体3位を勝ち取ります。その後も長野県アマチュアシニア選手権2回優勝など、活躍は続きます。塩嶺カントリーで記録した最小スコア68は、最近破られるまで23年間もの長い間コースレコードとして記録されておりました。また、ゴルファー憧れのホールインワンは4回、そして今や吉江さんの代名詞となるエージシュートは、何と139回達成されており、まだまだ記録更新中です。
吉江さんに聞いてみました。「一番楽しかったゴルフは?」
答え:「ジョニーミラー、ラニーワドキンスとのラスベガスでのプレイは忘れられない。」

吉江さんはこれらの嬉しい成果を「嘘偽りの無い自らの努力が報われて、人生修行の一里塚となり、自身の元気で生きる力と成りました。」と語っています。
また、こんな話もしていただきました。
吉江さんがいつもの様にゴルフ練習場に行くと、丸首シャツのおじさんがクラブを担いで練習に来て、正直あまりお上手ではなかったので、少しアドバイスをして別れたそうです。数日後、吉江さんは社有機にて出張へ。社有機に乗り込むと、「吉江さんの席はこちら」と操縦席近くの一番良い席に通されたそうです。“何故こんな良い席に”少し驚いているところに「この間はどうも」と挨拶された機長こそ、そうです、この前ゴルフを教えた“丸首シャツのおじさん”だったのです。その用意された席は、ゴルフを教えてくれたお礼にと、機長の善意の表れだったのでした。
「ゴルフをしていると、こんな予期せぬ喜びもありますよ」と、楽しい思い出として語っていただきました。
<誰もが知りたい、ゴルフが旨くなるには-②>
ゴルフが旨くなるには、練習あるのみ。特に、歳のせいにして練習しない人は上手くならない」と我々の前で、言い切られてしまいました。
そこで吉江さん自身がゴルフをどの様に考えているのか紹介いただきました。
・目標設定とその評価は全て自分で行い、基礎技術の階段(土台)作りをする。
・練習は重点的に(例:ドライバー、7#アイアン、ウエッジ各1本)人の10倍の厳しさで行う。
・スイングの意識は、“押す”から“引く”イメージに変え、体幹で振る。
・シニア期は腕力型から背筋型に工夫する。(腕の3倍強い)
・ゴルフは人に学び、体を鍛え考えるスポーツであり、生きる力と歓びがそこにある。
更に吉江さんは「それをいつやるかといえば、林修先生の“今でしょ!”」と強く語られました。何故なら「いくら歳をとっても、それを考える今が1番若い」のだからと。
この考え方こそが、歳を刻んでもその実力を維持し、衰えを知らぬトッププレイヤー吉江利夫を形作っているのでしょう。
<今を大切に生き抜く>
ゴルフ以外でも、「写経」「絵画」など多趣味に活動する吉江さん。その積極的で、輝かしいゴルフの経歴の裏には、大きな病気、手術も何回も経験し、年齢と共に落ちる飛距離には、がむしゃらに道具を研究することで対応し、パターイップスになった際には、中尺パターに変えることで乗り越えて来たと、その苦しい経験も私達に笑いながら語っていただきました。
更に今の心境を以下の様に述べられました。
「ゴルフを通じ地域の皆さんと睦まじくし、静かな自然の活力に潤い」
「雨の日は歴史に名を遺した偉人の姿など書物に求め」
「些細な過去の功名を捨て、今を精一杯生き抜く」
そして「私のゴルフは修行道、幾山河の厳しい戦い、遍路を辿り静かな今がある…」とインタビューを締めくくってくれました。ゴルフの道を極めた様に見えても吉江さんにとっては、ゴルフも人生もまだまだ修行の道半ばなんですね。
<インタビューを通して>
さて、ゴルフをやる人もやらない人も、その道を極めた吉江さんの秘密を少しでもご理解いただければ幸いです。
歳を重ね、人生にそしてゴルフに悩む人は、吉江さんを尋ねてはいかがでしょうか。 きっと、小坂田の自宅の庭で自らクラブを握りながら相談に乗ってくれるはずです。
「今が1番若いのだから、何で君は今やらないの。」とちょっぴり厳しい言葉と共に。

取材HP委員 横澤幸男 飯田益男 井駒敦志