山野草同好会 5月例会報告 2
5月26日(金)に久方ぶりに野草植物の自生地見学会を実施しました。なかなか会員同士の交流の機会もままならない時期が続きましたが、岡谷市の出早雄小萩神社社叢を選び実施ました。あまりに身近で気が付きませんでしたが、全国観光情報データーベースには次のように紹介されています。出早雄小萩神社(いずはやおこはぎじんじゃ)は、建御名方神と八坂刀売神の第二子 出早雄命(いずはやおのみこと)と第八子 興波岐命(おきはぎのみこと)を祀る神社です。出早雄小萩神社の社叢は植物の種類も多く、市の天然記念物に指定されています。春はカタクリ、夏はキツネノカミソリ、秋は紅葉を楽しむことができ、特に紅葉の美観は古来から有名で親しまれています。
諏訪地方の方はなじみの神社ではありますが、近年は岡谷ICから下諏訪へ抜けるバイパス道路ができたため、周辺のアクセスが複雑になっています。当日は9名の参加者が10時過ぎに集まり、多くのカエデの緑に覆われた社叢に入りました。整備された遊歩道に従っていくと、ほどなくムラサキサギコケの小さな花、花芽をかざしたヤブレガサ、不気味な表情の花のマムシグサ、ウバユリ、ヒトリシズカ、オドリコソウなどが出迎えてくれました。
なじみのあるイロハモミジの下にウスバサイシンの葉が誇らしげに地面を覆っていますが、見渡せば、カエデの幹に名札があり、ウリカエデ、テツカエデ、カジカエデ、ホソエカエデ等々ほとんどが聞きなれないカエデの種類が多く掲げられていました。ブーメランのような、または黄色の藤の花のような房状の花をつけ、緑の間からアクセントをつけるようにあちらこちらにみられました。
社叢の左手に流れる横河川の清流と明るさが社叢を奥深くして、景色を変えています。神社の本殿や神楽殿が右手に見えてきたのでお参り、神社の由来や御柱みたあと、左手から再び社叢へ。植物を探しながら進むと、都市緑化公園整備の県知事表彰記念碑の巨石や東屋のある広場に出ました。さらにはモミジの高い木の下に苔を敷き詰めた広がりのある空間が出現、あずまややベンチがあり憩いの広場を形成していました。その奥に小さな池があります。池の岸辺にはリュウキンカが群生していたり、ナルコユリがまだ白い花を見ることができました。何かホットします。カエデのトンネルを向けたような開放感がありました。
今日はやや肌寒さを感じる陽気でしたが、夢中で歩いたり、花を見ていると喉の渇きを覚えるような温かさが戻ってきました。そこで休息というか、昼食をとることにしました。苔の広場にシートを敷いて、モミジの緑を楽しみながらの大休憩となりました。おにぎりやお茶のペットボトル、さらには食後のスイーツにドラ焼きが配られ、花のはなしや健康談義や作品作りの構想まで、いろいろ話が弾む中でのひと時を過ごしました。
社叢を抜ける脇道は横河川の上流に続く道路が北に向かっていますが、ここから社叢を離れて道路沿いを南に社叢を右に見ながら駐車場に戻ろうと足を運びました。そこは近所の田畑への用水路が流れていて、明るい北東斜面側になります。その沿道には水辺にミズバショウの大きな葉が手を振ってくれているようです。民家も近くにありますが、レンゲツツジが道沿いにあり、田んぼには近頃は珍しくなった一面のレンゲソウがみられました。駐車場近くの社叢公園には白い花のコデマリやマユミの花を見ることができました。久しぶりに2時間弱の自生地見学会でした。近年のコロナ禍で短時間の例会が続くような活動をしてきましたので、会員がお互いに会話を交わす良い機会になったことと思いました。また身近な出早雄小萩神社の社叢をあらためて眺める楽しい機会になったかと思います。
遠路の見学会は負担も多くなり、動きが難しくなってきました。これからは身近なスポットを見つけて再発見できればと思います。
6月24日、25日の山野草作品展は一般の方にも見てもらえるよう、成功させるためにお互い頑張りましょう。お疲れ様でした。
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